応用自然科学科 物理工学コース 3年 秋・冬学期
工学研究科 物理学系専攻 精密工学コース 准教授 垣内弘章
応用自然科学科物理工学コースでは,「精密機器設計製図Ⅱ」で創造工学センターの演習室およびコマツホールを使用している.本授業は,具体的な物づくりに必要な装置の設計技術の修得を目的としている.指定課題に関し,グループディスカッションによって装置の設計項目を提案・整理し,具体的な装置構造を決定するとともに,最終的に3次元CAD(Computer Aided Design)による製図を行う.余裕があれば,CAE(Computer Aided Engineering)による構造最適化を行う.
1つの指定課題に対して3つの班(1班あたり4~5名)を割り当て,班ごとに異なるアプローチで検討する.つまり,同一テーマに対するコンペ形式とし,斬新で高性能な装置開発のためのアイデアを競い合う.2022年度の課題としては,ダイヤモンド合成装置の開発,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)成膜装置の開発,ポーラス金属作製装置の開発,の3つを指定した.いずれの装置も既に実用化されたり市販されたりしているものであるが,どのような装置にも問題点や克服すべき欠点がある.学生はまず,技術背景や原理,装置構造等について詳細を調査・理解することから始め,既存の装置には備わっていない新規な機能,あるいは問題点を解消し得る方策を一つ以上盛り込んだ,独自の装置を構想する.装置の仕様や構造の概要が定まった段階で,コマツホールを利用して中間報告会を開催し,設計内容の疑問点や課題を抽出する.それらを基に設計内容を見直し,最終報告会に向けてなるべく完成度の高い装置設計を目指す.
学生はグループ内でのディスカッションや発表会での質疑応答を通じ,実践的な勉強をすることができる.同一課題の他班よりも高評価を勝ち取ろうという気持ちがモチベーションとなり,毎回熱心な議論を繰り広げている.実際,毎回提出を義務付けている活動レポートからも,個々の学生のやる気がひしひしと伝わってくる.本授業は,4年次から始まる研究室での研究活動の予行演習的な位置づけとしているが,その通りの,間違いなく学生の成長を促す授業となっている.


